株式会社 三恵舎
精密機器の製造現場で活躍する
高性能対物レンズ
主力製品は工業系の高倍率の対物レンズ。マイクロスコープなどに使われて、光学機器や電気製品の製造現場で製品の表面精度や寸法を計測します。このため細部を正確に拡大するための高い技術力が要求されます。近年はお客さまの用途に合わせたカスタム製品のほか、高精度で価格を抑えた汎用の定番製品も揃え、技術と価格の両立にも積極的に取り組んでいます。
三恵舎の強みはレンズの製造から組み立てまで、全工程を1社で行えることです。このため試作でも量産でも、スピード感を持った製品化が可能です。技術力が評価され、最近では要求の厳しい試作を受ける事が増えてきました。こうしたお客さまの期待に応えるためにも、「積み重ねてきた技術を速やかに若い技術者へと継承し、伝統を守ると同時に常に新しい技術を磨き続けることが、信頼を受け続けるただひとつの方法だ」と大芝さんは語ります。
最後は職人の経験が
レンズの精度を支える
レンズの研磨は機械で行いますが、スイッチを入れたらレンズが完成するわけではありません。磨いたレンズをいかにして設計上の曲率(レンズの曲面の形状)に一致させるかが重要ですが、それをコントロールするのが職人の経験。研磨するときの力のかかり具合を判断しながら、機械を使いこなしていきます。レンズの精度はこうした職人技で守られています。これからはこの技をいかにして若い世代に伝えていくかということも課題です。