株式会社 川口電機製作所
伝統ある計測技術をベースに
新しい製品の開発にも果敢に挑戦
創業当初はほぼ100%の製品を当時の逓信省に納入していたと語る松本圭二代表取締役、その仕事は現在でもNTTとの取引に引き継がれていますが、指定業者になるための厳しい技術基準をクリアすることで、川口電機製作所の技術力も鍛えられたと振り返ります。
長年にわたって主力製品である通信関係の保安器は、逓信省時代から改良を重ねて現在に至る伝統ある製品です。雷によって発生する誘導雷による過大な電流からメタル回線を守る装置で、電話局以外にも多くの回線を使用する会社や工場などにも納入しています。
近年はメタル回線から光回線への転換が進んでいることもあり、新たな分野への取り組みにも力を入れています。特に銀ナノインクを用いて基板のテストピースを安価に 作れる銀ナノ印刷や、産業技術総合研究所と共同開発した技術を利用した医療機関で使用する放射線治療装置用の電位計、静電気の力を利用した静電モーターなどは、業界の注目を集めています。
未完成の技術を
完成品に変える発想の転換
静電モーターは静電気の反発・吸引力を応用したモーターです。100年以上前に発見された技術ですが、耐久性や価格に問題がありまだ完成はしていません。しかし同社では1点ものを短期間使用する広告や宣伝の分野で、この技術に新たな用途を切り開きました。静電モーターを使用した動くポスターは、多くの賞を受賞しました。また最近はテレビ番組のセットや百貨店にも採用されています。発想の転換で問題をクリアすることも大切な技術と言えます。
株式会社 川口電機製作所
代表者 | 松本 圭二 |
所在地 | 世田谷区用賀3-3-21 |
設立 | 大正12年(1923年) |
主な事業 | 通信・電源用保安器、静電モータ応用機器の開発・製造・販売 |
連絡先 | 03-5491-0111 |