日本刺繡工房『繡(しゅう)』
絹の光沢が表現する
繊細な日本の美
「日本刺繡の魅力は光沢です」と、日本刺繡工房『繡』の中井まりさんは話します。木綿糸を使う一般の刺繡に対して、日本刺繡は絹糸を使います。1本1本が細くて光沢があるのが特長で、能装束や着物、帯のあしらいなどに施されてきました。しかし最近は、コストの面からミシンで縫われるものがほとんどという状況です。中井さんは手で1針1針を刺す手刺繡にこだわります。手刺繡にはミシンでは出せない味わいや優しさ、風合いがあり、絹本来のもつ美しさを最大限に活かせるからです。
日本刺繡の新しい可能性にチャレンジする活動にも積極的です。さまざまな分野の職人たちとグループ「百年物語」を作り、発想豊かな作品づくりに挑戦しています。受け継いだ伝統的な技と素材で、現代に受け入れられる新しい作品を創造することが、グループ共 通の課題です。
表情豊かなところが
日本刺繡の魅力です
絹糸は細く、同じ面積を縫うのにも一般の刺繡の何倍もの針数になります。使う絹糸は10本ほどの菅糸(すがいと)を束ねたものを使いますが、より方や本数を変えたり、他の色の糸と混ぜてぼかしたりすることで独特の繊細な表現ができます。見る角度によって違った表情を見せたりする作品も魅力で、優美さを感じます。
「繊細な表現ができるからといって過剰にならないことが大事。空間の美を大切にした作品を目指しています」と中井さんは話します。
日本刺繡工房『繡』
代表者 | 中井 まり |
所在地 | 世田谷区奥沢5-23-20 自由が丘バロンズコート405 |
設立 | 平成元年(1989年) |
主な事業 | 日本刺繡の製作及び販売 日本刺繡教室 |
連絡先 | 03-3725-7580 |