日本刺繡工房『繡(しゅう)

絹の光沢が表現する
繊細な日本の美

1針1針ていねいに、心を込めて刺していく
1針1針ていねいに、心を込めて刺していく
訪問着「秋彩」
訪問着「秋彩」

「日本刺繡の魅力は光沢です」と、日本刺繡工房『繡』の中井まりさんは話します。木綿糸を使う一般の刺繡に対して、日本刺繡は絹糸を使います。1本1本が細くて光沢があるのが特長で、能装束や着物、帯のあしらいなどに施されてきました。しかし最近は、コストの面からミシンで縫われるものがほとんどという状況です。中井さんは手で1針1針を刺す手刺繡にこだわります。手刺繡にはミシンでは出せない味わいや優しさ、風合いがあり、絹本来のもつ美しさを最大限に活かせるからです。
日本刺繡の新しい可能性にチャレンジする活動にも積極的です。さまざまな分野の職人たちとグループ「百年物語」を作り、発想豊かな作品づくりに挑戦しています。受け継いだ伝統的な技と素材で、現代に受け入れられる新しい作品を創造することが、グループ共 通の課題です。

表情豊かなところが
日本刺繡の魅力です

絹糸は細く、同じ面積を縫うのにも一般の刺繡の何倍もの針数になります。使う絹糸は10本ほどの菅糸(すがいと)を束ねたものを使いますが、より方や本数を変えたり、他の色の糸と混ぜてぼかしたりすることで独特の繊細な表現ができます。見る角度によって違った表情を見せたりする作品も魅力で、優美さを感じます。
「繊細な表現ができるからといって過剰にならないことが大事。空間の美を大切にした作品を目指しています」と中井さんは話します。

絹糸。赤だけでもたくさんの色がある
絹糸。赤だけでもたくさんの色がある
色々な表情が出せるのが魅力
色々な表情が出せるのが魅力

メッセージ

たとえ遠回りになったとしても
いろいろなことに挑戦しましょう

私自身、短大を出てから普通に就職して6年間OLとして働いたものの、やっぱり刺繡の魅力が忘れられず、会社を辞めて日本刺繡の道に進みました。好き なことや興味のあることがあったら、たとえ遠回りになったとしても挑戦してみたらいいと思います。

中井まりさん
中井まりさん

日本刺繡工房『繡』

atelier-shu.net

日本刺繡工房『繡』

日本刺繡工房『繡(しゅう)』
代表者中井 まり
所在地世田谷区奥沢5-23-20
自由が丘バロンズコート405
設立平成元年(1989年)
主な事業日本刺繡の製作及び販売
日本刺繡教室
連絡先03-3725-7580
トーク・見学