株式会社 杉浦研究所
失敗さえも次につなげる
前向きな会社です
胃カメラの開発者で現社長の父である杉浦睦夫氏が設立した杉浦研究所は、医用・工業用光学機器を開発、製造しています。大学病院の病理などで使われる臓器標本を撮影する機材を主力に、持ち前の研究者魂を発揮して、大企業の手がけない小さな市場分野でユニークな製品を次々と開発しています。ときには専門の光学以外の知識が必要な製品にもチャレンジして成功してきました。「父は何をやっても研究だと言ってまわりをワクワクさせていました」と2代目の杉浦静夫社長は振り返ります。
「持ち込まれた仕事は基本的に断らない。どうするかは後で考える陽気な会社なんです」と笑う杉浦社長は、現在、光による新しいがんの治療器の開発という難題に取り組んでいるそうです。仕事はうまくいかないこともあるが、そんな失敗の経験をさらに難しい次の仕事に生かすのも、先代から引き継いだ杉浦研究所の大切な姿勢です。
たとえ需要は小さくても、
常に全力で対応する
手術で摘出した患部の組織を撮影する装置には、現場からの要望に応えるためのたくさんのノウハウが詰まっています。それまできれいな写真が撮れなかった、菌を培養するシャーレの撮影装置を開発したときには、「こんな写真が撮りたかった!」と研究者から絶賛されたそうです。
どんな需要にも全力で対応するため、試験管を宙に浮かせて撮 影する装置や、歯科医が口の中を影を作らずに撮影する装置な ど、ものすごく欲しい人がいる反面、数は出ない商品もあるそうです。高評価なのに「売れないシリーズ」があるんです、と杉浦社長は苦笑します。