菊池工業
現代の世田谷に息づく
鍛冶屋職人魂
もとは鍬や鎌などの農機具を作る鍛冶屋だった菊池工業。小原工業の創業者と知り合ったことがきっかけで、義肢装具用の筋金作りに取り組みました。 鍛造すると金属の分子のすき間が狭くなり、プレスや削り出しで作るよりも強くなります。これにより義肢装具に必要な強い筋金ができるのです。熱した金属を型を用いて、スプリングハンマーという機械で叩くだけで所定の形に仕上げるには、経験に培われた高度な技術が必要です。刀と同じで叩いてのばす、本質的には手作りと同じだとベテラン職人の菊池弘一さんは話します。一緒に仕事をする跡を継ぐ息子の伸行さんは、父親の技術に追いつくのはこれからだと笑います。 鍛造の筋金を必要とする人がいるなら、できるだけこの仕事を続けたいと語る弘一さん。これからは門の装飾や表札など、デザインまで考えた自社製品にも力を入れたいと声を揃えるおふたりです。
難しい温度管理は
材料の色で判断する
鍛造には熟練が必要です。焼き手3年と言って、金属を炉の中で焼いて出すだけでも厳しい修行が必要です。難しいのは温度の管理で、鍛造には最適な温度があります。特に筋金の材料のジュラルミンは、温度が低ければ叩けないし高すぎればボロッと崩れてしまいます。しかも作業の途中で何度も温度計で測ることはできないので、色で判断するそうです。炉の中でオレンジから黄色になる位に熱 したところで、一気に伸ばしていきます。
有限会社 菊池工業
代表者 | 菊池 伸行 |
所在地 | 世田谷区玉川台2-3-13 |
設立 | 昭和21年(1946年) |
主な事業 | 鍛造業 |
連絡先 | 03-3700-9186 |